Pass The Message

可能性の熟す時間、その方法

第8回目の「人生の旅」メッセージは、札幌で活躍するメディア・プロデューサーの久保俊哉さんからです。
それではメッセージスタートです。


自分の人生の旅の話だが、16年かかって誕生した一つの映画祭を通して話してみようと思う。
SAPPOROショートフェスト(札幌国際短編映画祭)は2006年に北海道史上初の国際映画祭である。
2006年に誕生するまでには実は長い道のりがあった。

自分は大学で映画を勉強しメディアの世界を目指していたが、就職難でその道を断念。
8年間は農業関連の会社で貿易実務(全く畑違い)を行っていた。
その後、札幌の広告代理店に就職し1990年にまさに「札幌国際短編映画祭」という企画書を書いていた。
しかし、ここから実現するのはそう簡単ではなかった。
広告代理店から東京の外資系ゲーム会社でコンテンツやエンターテインメントに関する知識や経験を積み、
札幌に戻ったときはCGアニメーションの会社にいた。
その後フリーランスになった1999年にチャンスは巡ってきた。

新聞を見ると「別所哲也」さんが「アメリカンショートショートフィルムフェスティバル」を
東京で開催との記事が載っていた。その時、即決でその映画祭を見に、
そして別所さん本人に札幌でもやりたいと話をすると、「一緒にやりましょう」と返事をもらった。
そして2000年に札幌初めての短編映画祭が誕生した。
札幌独自の国際映画祭にしていくために若い才能を応援する企業のみんなに協力を求めた。
小さく始めたが、一年目から黒字を出せたのは大きかった。
スタートした時点から実行委員には「いずれ、札幌独自の国際映画祭にしていく」と
約束をしたため、継続開催には黒字は絶対条件だった。

その後、東京のノウハウを借りながらも札幌の監督が海外でグランプリを受賞するなどの活躍があり、
地元でも話題に。そして、3年しかあたりから東京の動員を超えるまでになり
独自のプログラムも組めるようになった。
その後の2006年、念願の札幌国際短編映画祭(SAPPOROショートフェスト)が誕生した。

当時、夕張国際映画祭で、SAPPOROショートフェストのプレゼンを映画関係者に示した時も
「作品は国内から集めるのか?」と聞かれた。
当然、世界から集めるのだが当時は地方で海外から直接作品を集め、
国際映画祭を開く事など無理と判断されたのであろう。しかし、
一年目で70カ国1400作品以上の応募があった。これは事件となって東京に伝わった。
実は札幌は190万人の人口で世界から見たら大きな都市。
アメリカ合衆国の中に入れたらなんと5番目の人口の都市なのである。
現時点では国内外に国内最大級の国際短編映画祭として知られるようになっている。

やればできる。札幌は内向きではいけない。
海外にメッセージを贈れば世界は答えてくれる。そう実感した。
札幌市ともインタークロス・クリエイティブ・センターを2001年から行っている。
イギリスのtomato(クリエイティブ集団)のワークショップを行い世界中から参加者を集めたことや、
ICCのなかにあるS-Air(札幌アーティストインレジデンス)では、今年のカンヌ国際映画祭で
最高賞のパルムドールを受賞したタイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督などを招聘し
2ヶ月間の滞在製作を行った実績もある。
残念ながら札幌や北海道に居ると内向きの情報にどっぷり漬かることになる。
世界を見て欲しい。カンヌはパリじゃない。なんでも東京である必要な無い。
SAPPOROは世界からは有名な都市なのだと自覚して欲しい。

北海道には多くの可能性があります。
広大な土地や自然、四季の変化は豊かな水を作っている。
東京のようなスピードは無いが、逆に時間をかけた取り組みは北海道でしかできない。
そんな、自分たちにしかできない強みを活かした仕事や生活を発明していこう!
人間のつながりを大事に、人間にしか生み出せないアイディアを資源に
自然の法則を利用した豊かで幸せな新しい価値観を生み出す北海道を自分は今でもこれからも信じている。
後は、自分たちがその可能性に気づき、行動することだけだと思う。

若い人には、「夢」や「希望」をいつも持って辛抱強くあきらめないで欲しい。
またその実現のために「アイディア」を生み出す努力を続けて欲しい。

さぁみんなで未知の領域に地図を書いていこう。
すばらしい世界は、これからまだまだ創造していける。

2010年5月24日 久保俊哉

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久保俊哉
1957年9月9日 北海道小樽市生まれ
メディア・プロデューサー

*(有) マーヴェリック・クリエイティブ・ワークス 代表取締役プロデューサー
*インタークロス・クリエイティブ・センター チーフコーディネーター
*SAPPOROショートフェスト実行委員 プロデューサー
*札幌市立大学 大学院 デザイン研究科講師
*eシルクロード親善大使(札幌市より委嘱)
*NPO法人北海道コミュニティーシネマ札幌  理事
*NPO法人S-Air 理事
*California Independent Film Festival
*国際審査員メンバー(2007,2008,2009 ,2010)

日本大学芸術学部放送学科卒業後、広告代理店、ゲーム会社、
CGプロダクションを経て1998年4月、独立。
2000年に札幌市の事業としてインタークロス・クリエイティブ・センターのプランニングとプロデュース。
札幌市のクリエイティブ産業の政策を行う。
2005年には「sapporo ideas city」というとしブランドをプロデュース。
Sapporo-Ideas City-creative conversationsなど創造都市国際会議なども行う。
2006年にSAPPOROショートフェスト(札幌国際短編映画祭)を立ち上げる。
新産業プロデュース、都市ブランディング。マーケティング+コンピュータ+エンターテインメントを得意分野とする。
昨今はコンテンツビジネスのプロデュースをメインに行っている。
その他、アートディレクターのWilson Tang(Canada)、
イラストレーターのBAKU(前田麦)のエージェント&パーソナルマネージャーと務める。
2010年4月より、札幌市立大学大学院デザイン研究科講師を務めている。

久保俊哉(プライベート)Blog
http://kubokubo.exblog.jp/

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